涸沢 Karasawa(2005.10.9-10)
ナナカマドの朱色に彩られる標高2400mの涸沢カール、3000mの岩峰から一気に下りてくる紅葉は、
涸沢で日本一といわれる美しい錦絵を作り出します。涸沢から本谷橋までの登山道は、白樺の黄一色に
埋め尽くされるほど、山全体が秋色に輝き、真っ青な空に映えて登山者を魅了します。
横尾紅葉
上高地から梓川に沿って3時間歩くと横尾に到着です。途中明神岳や前穂高などを眺めながら気持の良いトレッキングが楽しめます。横尾の辺りの木も紅葉を始めていました。
登山道から横尾尾根と南岳
本谷橋を過ぎるときつい登りに変わります。しばらく登って少し展望が開けたところで振り返りました。横尾尾根と大キレットへと落ちている南岳を仰ぎ見ることができました。
屏風岩
涸沢カールはもうすぐそこに見えています。最後の苦しい登りです。振り返ると屏風岩のパノラマコース側が見えています。
涸沢カール手前の紅葉
涸沢ヒュッテがすぐ上に見えてくる石畳の急な道を登って行くと、途中テント場と涸沢小屋への分岐があるこの辺りでは、山全体が赤や黄の絨毯を敷き詰めたようでした。
涸沢カール手前の紅葉
涸沢カールが近づくにつれて、真っ赤に色づいたナナカマドが目立ってきます。一年に一回ほんの一瞬の輝きです。
涸沢から展望
今登ってきた道のりを振り返ると、はるか向こうに常念山脈にある大天荘岳が見えています。
涸沢小屋上の大岩付近
色とりどりのテント場を過ぎ、涸沢小屋で休憩し、ここで泊まってしまいたい誘惑を振り切り、ザイテングラードを目指して登り続けます。しばらく登ると、大きな岩が積み重なったところに出ます。この辺りのナナカマドは一段と美しく紅葉していました。
大岩付近の紅葉
このあたりまで登ってくると、涸沢カール底のテント場ははるか下になり、穂高の峰が大きく迫ってきます。
穂高岳山荘裏から夕日
ザイテングラードを登るころには周りはすっかりガスに包まれてしまい、展望はまったくきかず、ただ黙々と上を目指します。朝上高地を出発して、やっとの思いで穂高岳山荘に到着すると日が沈む時間が近づいていました。急いでカメラを持って山荘の裏手へ急ぎます。厳かな一日の終わりでした。
奥穂からつり尾根へ
立っていることさえ困難な強風の中、奥穂高で展望は諦めてつり尾根を前穂へと向かいます。下から上がってくるガスで視界が非常に悪い中、慎重につり尾根のルートを見つけながら狭い尾根道を下って行きます。
つり尾根を行く
しばらく行くと少しガスが切れてきました。つり尾根は殆ど岳沢側に道がつけられていますけれど、途中何箇所か尾根の上部に出ます。そこでは涸沢カール側と岳沢側と両方を望むことができ、非常に高度感があります。
つり尾根を行く
つり尾根の真ん中辺りまでくると、目前に前穂高が迫ってきます。登山道を辿って行くと、前穂の山頂から下りた稜線上に紀美子平があるのがわかります。
つり尾根を行く
だいぶ前穂が近づいてきました。このころにはガスも取れ、少し遠くの展望もきくようになり、快適な空中散歩が楽しめました。
つり尾根から岳沢を望む
上高地から見上げるとなだらかに見えるつり尾根も、実際はこんな大きな岩が屏風のように折り重なって、岳沢へと一気に下りています。
つり尾根から西穂高
紀美子平に近づいてくると、奥穂からジャンダルム、そして西穂へと続く稜線がはっきりと見えてきます。一般の登山道では最も困難なルートと言われています。
紀美子平からつり尾根
前穂頂上まで30分の紀美子平、行き交う登山者が足を休めたり、荷物を置いて前穂を目指したりと、登山者にとって憩いの場所になっています。
重太郎新道を下る
紀美子平から岳沢へ吸い込まれるように急な重太郎新道を下ります。鎖や梯子に助けられながら、岳沢へとぐんぐんと高度を下げて行きます。
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