奥穂〜西穂縦走 Okuho-Nishiho(2006.8.4-6)
山を始めてずっと憧れていました。そのジャンダルムの頂に登ってきました。この感動をどのように言葉にしたら
いいのでしょう?奥穂から眺めたジャンダルム、青空に向かってすくっと立ち、「私が穂高を守っているのだ」と言わんばかり。
さあ、いよいよ出発です。奥穂の頂から分岐を西穂へ取って、大きなガレくずのような岩の上を下って行きます。
涸沢へ雪渓を登る
横尾から屏風岩を見上げる本谷橋までの道はゆるい登り、そこから登山道は急坂に変わります。暫く行き、モレーンの上に涸沢ヒュッテが望めるようになると、例年ならお花が咲く沢に沿った道、今年は雪渓歩きとなってしまいました。
涸沢カール
雪の沢山残る涸沢カールでした。テント場を通り抜け、涸沢小屋のテラスまで上り、一息入れます。ここから3000mの稜線上に立つ穂高岳山荘までザイテングラートを登らなくてはなりません。
ザイテングラートからカール
涸沢小屋の裏から大きなごろごろした岩を登って行くと、下から上がってくる雪の斜面に出ます。慎重に登って行き、ザイテングラートの取り付き近くまで来ると、なんと辺り一面お花畑でした。展望も開け、屏風岩の向こうに常念山脈も見えています。
お花畑
ザイテングラートまで登って来ると、周りは黄色と白のお花畑でした。シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンイチゲなどが咲き乱れ本当に素敵でした。
山荘裏、笠ヶ岳
岩場に咲く花々に励まされてなんとか穂高岳山荘まで辿り着きました。しばらくガスに隠れていた笠ヶ岳が落日の空に姿を現しました。
山荘前の夜明け
なんとすばらしい朝焼けの空でしょう! この後の縦走に期待が高まります。
山荘横から前穂高
山荘から見上げると、奥穂、涸沢岳、北穂、朝日に輝いて登山者を招いています。
雲海と浅間山
日が少し高くなると、真っ白な雲海の彼方には南アルプス、八ヶ岳、浅間山が美しいシルエットとなって見えていました。いよいよ縦走に出発です。はやる気持を抑えてゆっくりと奥穂へ登って行きます。
奥穂山頂手前からジャンダルム
高度を上げて行くと、北アルプスの山々のすばらしい景色が待っていました。山頂直下ではこれから向かうジャンダルムが凛凛しい姿を見せています。
ジャンダルムと焼岳
奥穂の頂から西穂へ嶮しい岩稜が続いています。ロバの耳の隣にジャンダルム、コブ尾根の頭、隠れて見えないのですけど、天狗岳、間ノ岳と続きます。その向こうに小さく尖った西穂、そして左に焼岳です。
奥穂から雲海に浮かぶ八ヶ岳
たくさんの登山者で賑わう奥穂山頂でしばらく360度の展望を楽しみました。雲海に浮かぶ八ヶ岳や南アルプス、飛騨側にはすぐそこに立派な笠ヶ岳や双六岳、裏銀座の山々、立山の峰、後ろ立山連峰、などなど...そして笠ヶ岳の左には雲海の上にくっきりと白山の姿も。本当に美しい展望です。
馬の背の岩稜
奥穂から少し下ってきました。最初の難所、馬の背に入ります。 不安定でバランスが取りにくい尖った岩を下って行きます。
無事に馬の背を下って記念撮影
いきなり狭く急な下りになった馬の背、足がかりをなんとか探しながら無事に下ることができました。ここでほっと一息、ジャンダルムを背に記念撮影です。
降りてきた馬の背
無事に降りてきた馬の背を振り返ります。ずいぶんと狭いエッジです。自分でもどこをどうやって降りてきたのやら。
ロバの耳とジャンダルム
これから行くロバの耳とジャンダルム、いったいどこがルートなのでしょう? 一歩づつ憧れのジャンダルムに近づいて行きます。
ロバの耳の登り
これからロバの耳を登ります。途中から右のトラバースに入ります。気がつくと、私のずっと先を行く山の先輩が、私が慎重に登るのを見守ってくれています。
ジャンダルムと笠ヶ岳
ロバの耳の上からはジャンダルムはもう目の前です。迫力のあるジャンダルムとずっと私の悪戦苦闘を見守ってくれている笠ヶ岳です。
ロバの耳を下る私
この鎖を下るといよいよジャンダルムに登ります。憧れのジャンダルムは目の前に大きく聳えています。
ジャンダルム
大きく聳え立つジャンダルム、岳沢側の狭い岩棚のトラバースを行き、反対側から登ります。
ジャンダルム下のトラバース
トラバースを慎重に進みます。写真では良くわからないかも知れませんけど、私の足元はすっぱりと下に切れ落ちています。向こう側に回りこんで頂を目指します。荷物をデポし、身軽になってほんのひと登りで山頂に立つことができました。
ジャンダルム山頂から笠ヶ岳
ここまでずっと見守っていてくれた笠ヶ岳、肩をいっぱいに広げ、大きくてやさしい山容です。
山頂で記念撮影
念願のジャンダルム山頂に立つと、じわじわと感動がこみ上げてきます。やりました!! 細長い山頂で暫く展望を楽しみました。
ジャンダルム頂
山頂の岩の上の置かれていた看板と風見鶏?。風で飛んでしまうことはないようです。無造作に置かれていました。憧れのジャンダルムに登ったことを電子本に書きました。是非ご覧下さい!「ジャンダルム」はこちらです。
ジャンダルムから槍ヶ岳
雲ひとつない山頂からはもちろん槍ヶ岳もはっきりと見えていました。空気が澄んでいたので、拡大して見ると槍の穂先に立つ登山者がわかるほどです。
コブ尾根の頭から下る私
いつまでも山頂に留まりたい気持を抑えてジャンダルムを下りました。これから先まだまだ難所が続きます。コブ尾根の頭から下る私です。
畳岩尾根を下る私
これからこの長くて不安定な畳岩尾根を下って行きます。眼下には次のピーク天狗の頭が待っています。
まだ彼方の西穂高
これから向かう西穂高、まだあまり近づきません。天狗の頭、間ノ岳と越えて行かなければなりません。
急な尾根を下る私
長い長い下りでした。一歩一歩慎重に下って行きます。辿り着いたコルが天狗のコルで、岳沢に降りるエスケープルートへの分岐があるところです。
天狗山頂直下を登る私
天狗のコルから垂直の壁、ここだけは万が一を考えザイルで確保して貰い登りました。そしてなおも登って行くと天狗の頭の頂に着きます。この後逆層スラブの下りが待っています。
天狗逆層スラブ
天狗の頭の頂から少し下ったところでこの逆層スラブに出ます。鎖は付いていますけれど、40mと長いので、慎重に降りて行きます。下の方では傾斜が緩いので怖さは感じません。
天狗を振り返る
今下ってきた天狗の頭を振り返って見ました。こちらから改めて見上げると、いったいどうやって降りてきたのでしょう?大きな一枚の壁のように見えてしまいます。
天狗の頭
もう一度天狗を振り返ってみます。天狗の向こうには畳岩尾根の高いピークが見えています。
これから登る間ノ岳
天狗を下って息をつく暇もなく、今度は岩屑の山、間ノ岳を登って行きます。地震でもあればがたがたと崩れてしまいそうな岩が積み重なった間ノ岳です。間ノ岳からの下りは疲れた足にこたえます。
下ってきた間ノ岳
間ノ岳からはガラガラと音を立てて落ちてしまいそうな岩のガレ場を下ってきました。緊張で足が非常に疲れてしまいました。
間ノ岳
今一度間ノ岳を振り返ってみます。なんと今にも崩れてしまいそうな山に見えてしまいます。
西穂へ最後の急登
いよいよ西穂へ向けて最後の長い登りです。急な鎖場を、疲れた足に鞭打って一歩一歩頑張ります。
西穂高山頂直下の登り
ようやく西穂の山頂は眼前です。最後の岩場を慎重に登って行くと山頂です。奥穂〜西穂縦走達成です。
西穂高山頂で
とうとう達成しました!! なんとこの私が奥穂〜西穂縦走してしまいました。!! 今回の縦走は、ずっと私の前を行きながら、的確なアドバイスをしてくださったり、いろいろと助けてくださったり、そしてこの写真を撮ってくださった頼もしいリーダー、山ちゃんのおかげです。本当にありがとう!!
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