夏の剣岳

剣岳 Tsurugidake (2009.08.22-23)

すばらしいお天気に恵まれました。5年前に初めてガスの中登頂、展望の得られなかった剣の頂へ再び登ることができました。
今回は室堂から一旦雷鳥平へ下り、別山乗越に登り、そこから剣を仰ぎ見ながら大好きな花、チングルマの果穂が一面に広がる
風車畑の中を剣山荘に下りました。翌日は夜明けからゆっくり剣山頂を目指しリべンジを達成しました。

朝の室堂

扇沢の駐車場に車を止め、登山靴に履き替え、アルペンルートを乗り継いでやっと室堂に到着しました。カラの水筒にお水を入れ剣山荘目指して出発しました。前方は立山雄山です。

剣岳

室堂から真砂岳、別山の方を見ると、翌日登る予定の剣が左奥に見えていました。

オノエイタドリ

広大な台地はいろんな花で埋め尽くされていました。

ミヤマリンドウ

鮮やかな青色のかわいいリンドウです。小さな花は直径わずか1cmほどです。

ウサギギク

大好きな花の一つです。高山で出会えると何故かほっとする花です。

みくりヶ池

立山の峰々を映すようにエメラルド色をしています。

タテヤマリンドウ

ミヤマリンドウより小さく、直径は1cmに満たないくらいです。

雷鳥平へ

みくりヶ池から雷鳥平へ、今回は地獄谷ルートではないほうの右へルートを取り、少しアップダウンを繰り返します。

雷鳥平

これから一旦雷鳥平へ下り、目の前に大きく聳える別山乗越に登ります。真ん中より少し左の緑の斜面につけられた道が分かります。

地獄谷

上から望む不気味な地獄谷です。今回は帰りにすぐ脇につけられた道を通りました。鼻をつく硫黄の匂いに息苦しかったこと。

別山乗越へ

雷鳥平から登ってきました。見上げると美しい緑の斜面と秋空に真っ白な雲がとても綺麗でした。

展望

辿った室堂方面を振り返った展望です。

トウヤクリンドウ

だいぶ稜線が近くなりました。咲いたばかりのトウヤクリンドウです。

剣岳

ようやく乗越まで上がってきました。すると大きな剣が迎えてくれたのですが、明日あの頂まで頑張れるんだろうか..自信のない私でした。

チングルマ

やっと登った別山乗越から今度は登ったのと同じくらい下ります。咲いた後もこんなにかわいいチングルマ、見ると剣山荘への道の両側はチングルマやハクサンフウロ、アキノキリンソウ、オノエイタドリなどのお花畑でした。

剣岳

剣山荘へ下るにつれて高く険しくなる剣です。

チングルマ

長く伸びた果穂が風を受けて同じ方向に向いています。

ヨツバシオガマ

良く高山の岩場で見かける花ですが、ここでは斜面を占領するように群生していました。

クモマグサ

岩陰に咲いていました。梅の花に似てかわいい花をつけています。

ハクサンフウロ

風に揺れて咲く様子がかわいい花です。

チングルマ

咲いた後花びらを落とすとこんなチングルマです。同じ背丈、同じ向きに並ぶさまのかわいいこと。

剣岳

少し下ってくると剣も近くなった気がします。前剣と山頂が重なって見えています。

剣山荘

2008年に建て替えられたばかりの剣山荘へまだまだ下って行きます。

別山

今下って来た道を振り返りました。相変わらず緑に覆われた美しい斜面です。

剣山荘

まだまだ夕食まで時間がありました。山荘の入り口で一緒に行ってくださった山仲間と記念撮影しました。

朝焼け

山小屋に不必要な荷物を入れたザックを置かせてもらって、お弁当とお水、おやつを持って夜が明けた4時半過ぎに出発しました。登り始めると東の空が明るくなってきました。

展望

一服剣へ登り、大きく目の前に聳える前剣を登ります。振り返ってさっきまでいた一服剣の頂と剣沢、別山の展望です。

前剣大岩

前剣の頂へザレ場を登ってくるとこんな大きな岩があります。

展望

大岩を超えて登ったところから展望です。

前剣へ

後少しで前剣の頂です。

前剣山頂へ

この岩場を越えると前剣の頂です。ここからはまだ見えていない剣の頂です。

剣岳

前剣頂手前まで来ると今まで見えなかった剣の山頂が姿を現しました。これからが岩場の核心部、不気味な岩峰の連なりは迫力満点でした。

剣岳へ

前剣から剣岳山頂を目指します。写真のちょうど真ん中の絶壁に付けられた登り専用のトラバース道へと下って行きます。

トラバース

足場も鎖もしっかりしていますので恐さはなかったですが、慎重に進む私です。

トラバース

振り返って一瞬手を振った私です。

トラバース

一歩踏み外すと奈落の底へ、山仲間も慎重です。

登山道

さっきのトラバースを超えると今度は長い鎖場を下りました。その先は岩場でないこんな道、ほっとしますが油断は禁物です。

タカネヤハズハハコ

岩場の陰で静かに咲いていました。

前剣と展望

前剣を振り返りました。真ん中が前剣、そして別山の向こうに立山の峰が見えています。

前剣と立山

少しズームすると前剣の頂に登山者がいるのがわかります。

剣岳への岩峰

ここから頂までまだまだ険しい岩場が続きます。

鎖場

大きな岩場を登って行きます。上まで行くと鎖のついた絶壁が待っていました。

カニのタテバイ

鎖場を下ると平蔵のコル その先にカニのタテバイが見えています。、

カニのタテバイ

もう少しズームしてみるとたくさんの登山者が岩にへばりつくように登っています。

絶壁

さっきの絶壁を下る私と山仲間です。登りはなんでもない岩壁も下りはやはり緊張します。2箇所長い鎖が付けられていますが今回私が下った真ん中の鎖のほうが長くて恐さを感じました。

絶壁

無事に下って振り返りました。エッジに登山者がこれから下ろうとしています。何故か画像で見ているほうが恐そうです。

カニのタテバイ

いよいよ私がカニのタテバイを登ります。ちょうど渋滞もなくゆっくり慎重に登ることができました。ピンも打ってあって足場が安定しているので真下を見なければ恐くありません。下山はここではなくカニのヨコバイを通ります。

上からカニのタテバイ

カニのタテバイを上から覗くとこんな感じ、やはりちょっと恐そうです。

絶壁

カニのタテバイを登って山頂が近づきました。さっき下った長い鎖場のある絶壁を見てみるとなかなか恐そうです。画像を大きくすると登山者がいるのがわかります。てっぺんに一人これから下ろうとしています。自分があそこにいたと思うと..ゾッです。

山頂へ

後少し、山頂が目の前に迫ってきました。上空には少し雲がありますが、北アルプスの展望を隠す雲ではありません。今回はリベンジ達成できそうです。

展望

山頂まで数十メートル、振り返るとあの絶壁も前剣も一服剣も眼下になり、その向こうに別山と立山の峰が連なっていました。

祠へ

頂にある祠が見えました。夜中に目覚めた時は、頭痛と吐き気、睡眠不足、とても山頂までは無理、最悪のコンディションでしたが、行けるところまで行ってみようと歩き始めた私がなんとか山頂まで辿りつきました。

山頂

8時ちょうどに3人で無事登頂でした。すばらしい展望の山頂で旦那さんと記念撮影です。ずっと後ろから私と友人の写真を撮りながらゆっくり登ってくれました。

展望

山頂の展望は360度、立山の稜線の上に遠くの槍や穂高の頭が見えています。

山頂で

風が冷たい山頂でしたが、山荘で作って貰った朝食のお弁当を出して朝ご飯にしました。真ん中で座っているのが私です。岩が折り重なり大きな祠のある頂は以前の記憶より狭い山頂でした。

カニのヨコバイ

どんどんやって来る登山者に頂を譲り、私たちは下山することに。左にカニのタテバイから上がって来るルートを過ぎるとカニのヨコバイ、長い鎖場です。左手は鎖を握り、左足で踏ん張って右足を絶壁の斜面に下ろします。握力も腕力もない私、ちょっと緊張するところでした。足場を確保したら後は絶壁を岩に沿ってカニ歩きをすると垂直の梯子を下りますが、そこから撮ったカニのヨコバイの写真です。女性が下ろうとしています。

カニのタテバイと岩峰

梯子を降りて、鎖場をいくつか下って来ると平蔵のコル、上りのルートに戻ります。さっき登ったカニのタテバイをもう一度記憶に留めて下山します。

ダイモンジソウ

一箇所岩陰に小さなダイモンジソウをたくさん見つけました。上りではまったく気がつきませんでした。

前剣を下る

また絶壁の鎖場を超えて上りとは違うトラバース道を通り前剣まで下ってきました。これからザレた前剣の急斜面を慎重に下ります。

振り返ると

大岩の横を通り前剣をだいぶ下ってきました。疲れた足にキツいザレ場と岩場でしたが、まだまだ下り一服剣へ上り返します。剣の頂はもう遥か遠く右奥に見えています。

トリカブト

一服剣への斜面にたくさん咲いていたのがこのトリカブトとハクサンフウロでした。

前剣

一服剣へ上り返しのキツかったこと、振り返って今下ってきた大きな前剣です。

展望

一服剣からの展望です。厳しい表情の八ツ峰の岩峰の向こうに'07年に縦走した五竜、鹿島槍、爺ヶ岳が連なっていました。

剣山荘前で

無事に山荘まで下山してきました。山荘の入り口で記念撮影です。これからまた別山乗越へ登り雷鳥平へ下ります。室堂はまだまだ遠く絶望的に思える私でした。

剣岳

さっきまでいた剣岳がまだ見守ってくれています。だいぶ別山乗越へ登ってきました。剣にお別れを言って乗越から雷鳥平目指して下山します。

雷鳥平

3時過ぎにようやく雷鳥平に下りてきました。周りを立山、別山、大日岳などに囲まれた気持ちの良い大地です。後は室堂に少し登り返せば今回の山旅は終わりです。扇沢方面の終バスの時刻、4時30分に間に合うように頑張りました。お天気に恵まれた2日間でしたので今回 同行してくださった山の友人にとっても剣はすばらしい山だったと思います。今回頑張って登頂できてほんとに良かったです。

写真をクリックすると大きく表示されます。

夏の山旅へ

トップへ戻る