大キレット

大キレット〜穂高縦走'05 (2005.9.23-25)

槍、穂高縦走、誰でもいつかは挑戦したいと憧れる縦走路の中の大キレットです。上高地から槍沢を行き、
南岳にある南岳小屋を目指します。翌朝大キレットを越え、北穂、涸沢岳、穂高岳山荘まで縦走します。
翌日奥穂、前穂に登り、岳沢に下ります。天狗原から上部の紅葉、稜線の草紅葉に励まされての縦走でした。

前穂東壁と月

前穂東壁と月

上高地から梓川沿いを歩いて横尾、そこから殆どの登山者が涸沢を目指して行く中、橋を渡らずに槍沢を目指して出発です。しばらく樹林の中を行き、目の前が開けると前穂が厳しい表情を見せ、山の端に月がかかっていたのが印象的でした。

槍沢を登る

槍沢を登る

横尾から1時間半ほどの槍沢ロッジを過ぎて、槍沢を登って行きます。元小屋があったテント場を過ぎた辺りで、前方には東鎌尾根が見えてきます。アップダウンを繰り返しながら槍へと続きます。

槍沢のナナカマド

槍沢のナナカマド

槍への道との分岐を左に取り、天狗原へ向けて槍沢を横切って行きます。足元の咲いた後の髭のチングルマたちが一斉に風に揺れて、なんともかわいらしい光景でした。ナナカマドも秋を感じ始めたようです。

ナナカマド

紅葉を始めたナナカマド

天狗池手前辺りのナナカマドです。9月も末となると、この辺りから少しづつ紅葉が始まり、目を楽しませてくれます。

天狗池手前から槍

天狗池手前から槍ヶ岳

槍沢を横切って天狗池手前で見た槍ヶ岳です。ここからは天を突く美しい槍の姿です。

天狗池に映る槍

天狗池に映る槍

槍沢を横切り、少し登ると小さな天狗池がひっそりと静かにたたずんでいました。池の向こう側に行き、水面に映る槍を撮ります。あいにくの曇り空になってしまいました。

横尾尾根から横尾本谷と屏風岩

横尾尾根から横尾本谷と屏風岩

天狗池を後にして、大きな岩の上を飛び越えるようにして登ってくると横尾尾根に取り付きます。ここから上の稜線を見上げると、かなりきつい上りであることが分かります。天狗原と反対側は横尾本谷へ美しい斜面が続いています。

横尾尾根上部から常念岳

横尾尾根上部から常念岳

梯子や鎖をたよりにきつい横尾尾根を登って稜線に辿り着きました。常念山脈の山々が西日を受けきれいに輝いていました。ここから南岳までまだ登りが続きます。

南岳小屋前から槍

南岳小屋前から槍ヶ岳

南岳小屋前に常念などを望む絶好の写真撮影ポイントがあります。大キレットに下りて行く前に、まずここのすばらしい景色を写真に収めておきます。

朝の南岳小屋

朝の南岳小屋

同じところから南岳小屋を撮ってみました。小屋は南岳のはずれ、獅子鼻と呼ばれるところにあって、大キレットの向こう穂高を望む絶好の場所に建っています。

朝の大キレット

朝の大キレット

これから向かう大キレットと穂高連峰です。ずっと下に長谷川ピーク、その向こうに滝谷の不気味な陰、初めての私にはちょっと緊張するところです。

槍ヶ岳

槍ヶ岳

大キレットに向かう前にもう一度槍ヶ岳を写真に収めておきます。ここからの槍ヶ岳はひときわ美しい姿をしています。

獅子鼻付近から北穂高小屋

獅子鼻付近から北穂高小屋

キレットの向こう、北穂高の山頂からほんの数メートルのところに北穂高小屋があります。こちら側からも、山頂の危なっかしいところに建っているのがわかります。

大キレットを下る私

大キレットを下る私

いよいよ下って行きます。最初がれた急斜面を注意深く降りて行き、岩場や梯子を下ってどんどん高度を落とします。

大キレットを下る私

大キレットを下る私

つい先ほどまでいた獅子鼻がみるみる遠くなります。長い梯子を二つ降りてくると広いところに出ます。ここからしばらくは快適な稜線歩きが楽しめます。

長谷川ピークから南岳

長谷川ピークから南岳

長谷川ピークと呼ばれる幅の狭い尖った尾根の、まさにピークに座って南岳を振り返ります。ここからがキレットの核心部で、注意をして慎重に下って行きます。

長谷川ピークを行く私

長谷川ピークを行く私

ピークで少し展望を楽しんだら、狭いナイフリッジの上を下って行きます。遠くで見るよりは手掛かりも足掛かりもちゃんとあるので、安心して歩けます。

長谷川ピーク

長谷川ピーク

長谷川ピークを無事に越え、これからいよいよ飛騨泣きと呼ばれるところへ登って行きます。少し登って振り返って長谷川ピークを撮りました。今越えてきたばかりですけれど、両側が切れ落ちているのを見るとびっくりです。

長谷川ピーク

長谷川ピーク

もう少し拡大して撮ってみました。上のナイフリッジを壁に沿って下りてくると、片方はハイマツ帯に変わるので、先ほどまでの高度感は感じずに済みます。それでも反対側は絶壁で、その下は滝谷ですから、気を抜くわけにはいきません。

長谷川ピーク

長谷川ピーク

もう少し登った上から長谷川ピークを見ています。上から見るとよりナイフリッジであることがわかります。自分がそこを歩いているときよりも圧倒的な高度感を感じます。

長谷川ピークと南岳

長谷川ピークと南岳

だいぶ登ってきました。飛騨泣き手前辺りです。振り返ると、長谷川ピークははるか下のほうに、南岳もはるか遠くに見えてます。みるみる下からガスが湧いてきました。

飛騨泣き付近を登る私

飛騨泣き付近を登る私

いよいよ飛騨泣きに入ります。この大きな岩の最初の取り付きにはピンがいくつも岩に付けられていますので、足場はしっかりとあります。一歩一歩慎重に登って行きます。右下は滝谷の絶壁です。

北穂から鎖場を下る

北穂から鎖場を下る

念願の大キレットを越えて、北穂から涸沢岳を目指します。ここも鎖や梯子がたくさんあって気が抜けないところです。北穂高、南峰を越えて、岩場を下りてくると写真の長い鎖場があります。鎖も足場もしっかりしています。

最低コルから涸沢岳

最低コルから涸沢岳

最低コルまで下りてくると、カメ岩の向こうに涸沢槍が迫ってきます。涸沢槍の上部では梯子や鎖場の手前で渋滞が起きています。下りてくる登山者と、これから登る登山者が交代に通過するためです。左下の白い帽子が私です。これから涸沢槍を越えて、ルンゼを登り、涸沢岳に向かいます。

奥穂への登りから槍ヶ岳

奥穂への登りから槍ヶ岳

穂高岳山荘で一夜を過ごした翌朝は、一寸先も見えないほどの霧が立ち込めていました。予定通り奥穂から前穂、岳沢へと下ることに。穂高岳山荘を後に梯子を登って行くと、霧の中から槍ヶ岳が姿を現しました。先ほどまでの霧が嘘のようです。

奥穂への登りから笠ヶ岳

奥穂への登りから笠ヶ岳

霧が晴れてくると、雲海の向こうに、朝日に輝く笠ヶ岳が美しい姿を見せ始めました。

奥穂への登りから前穂高

奥穂への登りから前穂高

足元の草紅葉も冷たい朝の空気に震えています。もう少し登ってみると、前穂も姿を現し、時折、涸沢カールの底を見ることもできました。

奥穂山頂手前からジャンダルム

奥穂山頂手前からジャンダルム

山頂はすぐそこに見えています。ここはジャンダルムを見るための展望台のようなところ。飛騨側が切れ落ちていて、嶮しい岩峰です。やはりその名の通り、穂高を守る衛兵のように高くそびえていました。

奥穂山頂から槍ヶ岳

奥穂山頂から槍ヶ岳

奥穂の山頂に到着です。北岳の次に高い標高を誇る奥穂高、祠のある岩を積んだ頂上に立つと、ぐるっと360度の展望はすばらしく、言葉にならない感動がこみ上げてきます。

奥穂山頂を振り返る

奥穂山頂を振り返る

山頂を後につり尾根を前穂へと向かいます。祠のある山頂、岩を上手に積み上げてあります。これは北岳と同じ標高になるようにと、積み上げられたものだそうです。ところが当時このように作られた山頂は認められなかったそうです。今でも北岳に1m標高が及ばない奥穂高です。

ジャンダルム

ジャンダルム

つり尾根へと下る前にもう一度ジャンダルムを写真に収めました。いつかあそこの上に立って見たいという夢を、山登りを始めたころから持っていました。2006年夏に奥穂高からジャンダルムを越えて西穂高縦走達成しました。奥穂〜西穂縦走はこちらです。

つり尾根から涸沢カール

つり尾根から涸沢カール

上高地から見上げると、あんなに高いところを人が歩けるのだろうか、と不思議です。そのつり尾根、非常に高度感があります。涸沢カールのはるか下のほうに小屋が見えています。

写真をクリックすると大きく表示されます。(Please click the image to enlarge it.)

2007年大キレット縦走はこちらです。

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